ビルマ市民フォーラム設立趣意書(1996年12月21日)


 1988年8月、ビルマ全土が民主化を求める声に包まれたとき、私たちはようや くビルマ人たちが民主主義を手にするのだと期待しました。しかし、その期待 は銃弾によって打ち砕かれ、国家法秩序回復評議会(SLORC)が強権によ って全土を支配するようになり、89年7月からは民主化のシンボルとも言うべ きアウンサンスーチーさんが自宅軟禁されました。その後、95年7月にスーチー さんが「解放」されるに及び、私たちは再びかすかな期待を抱きました。しかし、 この期待は96年になってNLD(国民民主連盟)の党大会等の際の大量逮捕という 暴挙によって、さらにはNLDからの唯一の国民へのメッセージとも言うべき アウンサンスーチー宅前でのスピーチが軍によって阻止されるに至り消え去りました。 このままではビルマはまさに監獄状態なのです。

 一方、日本政府は現在のところ、このような政治状況の中日本に逃れてきた在日ビルマ 人の難民認定に対し、消極的な姿勢を変えようとしていません。また、軍事政権との国交 も続いており、貿易・観光など日本とSLORCとの関係は強まっているとさえ言えます。

 以上のようなビルマを巡る厳しい状況が続く中、日本にいる私たちにできる活動を行う場を 持ちたいと考えました。日本は、古くからビルマと深い関係があります。日本が軍事政権に 対してどのような姿勢をとるかは国際的にも極めて重要であり、日本の世論がどう形成されて いくかがその大きな決め手になります。そこで、その活動を市民の立場で担うために市民 フォーラムを設立することと致しました。市民フォーラムでは、主に以下のような活動をして いきたいと考えています。

1. ビルマの民主化を願う市民の声を結集し、民主化を実現するために考えられるあらゆる 活動を展開していくこと。具体的には、ビルマに関する様々な情報を収集し、それらを 提供・広報する発信源となり、また、日本政府や、ビルマ軍事政権に対して影響力を 行使しうる組織・団体の判断や決定に対して勧告や意見の提出などを行う予定です。
2. 在日ビルマ人との親睦・交流をより深めるとともに、在日ビルマ人の民主化運動に対し 市民の立場からなし得る協力を行うこと。具体的には、日常的な活動や在留問題について支援 していくほか、彼らの文化活動への協力なども行い、ビルマやビルマ人に対する理解を深め、 より多くの人にビルマを知ってもらうきっかけを提供したいと考えています。

 上述の活動のほかにも、広くビルマに関心がある方、ビルマの民主化を願う方が、よりビルマ を理解し、よりビルマを身近に感じ、ビルマの民主化実現のために知恵を出しあい、そのための 活動を行う場として、ビルマ市民フォーラムを設立致します。


<ビルマ市民フォーラム運営委員>

代 表 :永井 浩(神田外語大学教授)
事務局長:渡邉 彰悟(弁護士)

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