日本を戦争国家にする
米軍の報復戦争全面強力に
強く反対します
総理大臣 小泉純一郎様
私たちは20世紀の日本の戦争責任を問い21世を平和の世紀にしたいと、戦争と女性への暴力に反対する活動をしている女性団体です。今回の米国への同時多発テロに強い怒りを持ち、その犠牲者を心から悼みます。しかし、同時に、米国の報復戦争に強く反対し、それに日本が全面協力するためのテロ対策特別措置法案および関連2法案に抗議します。その理由は、米国の報復戦争国際法違反、国連憲章違反であり、日本がそのような戦争に参加することは憲法違反だからです。
今回の米軍への同時多発テロは、米国が主張するような戦争行為ではなく、民間組織による国際犯罪です。従って、テロ実行者を国際法に基づいて法的に処罰すべきです。国連決議もテロ根絶の必要性では一致しても、武力行使は認めていません。従って、米国の報復戦争はアフガニスタンの攻撃で民間人に死傷者が出れば、それは戦争犯罪に相当します。また、報復戦争ではその目的である肝心のテロ根絶は不可能で、逆にテロを増幅します。
このように、国際的に守るべき法も無視した米国の報復戦争に全面協力することを、小泉首相はいち早く宣言し、日米同盟、国際協調を旗印にそのための立法措置を急ぎました。しかし、米国は、平和憲法を持つ日本に軍事的協力など期待しておらず、ブッシュ大統領自身、小泉首相にアフガニスタンの復興での役割を強調しているのです。それにもかかわらず、まるで、米国の忠犬のように振舞う小泉首相の意図は何なのでしょうか。
小泉首相がかねがね切望していた自衛隊海外派遣、集団的自衛権の行使、有事立法などを、今回のテロ事件を口実に強行しようとしているとしか考えられません。そうして、テロに対する国際協力に「憲法が障害」というムードを作り、念願の改憲を実現することがねらいではないでしょうか。
1999年の日米ガイドライン体制のための周辺事態法で、日本は米国の戦争に協力する「戦争のできる国家」になりましたが、今回のテロ報復戦争で「戦争する国家」になってしまったのです。敗戦後、「平和国家」として再出発したはずの日本が「戦争国家」に転ずるという戦後最悪の選択を、小泉首相は心ある多くの日本人の抵抗を無視して強行したのです。
かつてのアジアへの侵略戦争への反省もない日本がこのように軍事国家に変身することに、韓国など近隣諸国から不安の声が早速伝わってきます。イスラム世界での報復戦争反対反米デモに日本も名指しされるようになりました。今戦禍に苦しむアフガニスタンの人々が求めている和平と復興に、中立的な立場で日本が貢献できる貴重な立場を失ってしまったのです。今この人類の危機のときにこそ、日本は平和憲法を最大限生かすことで世界に貢献できたはずなのに、小泉首相はその機会を自ら放棄し、歴史に汚点を残したのです。
テロ根絶の名のもとに、アフガニスタンの罪なき人々の声明が失われていく中で、反戦の声が日増しに強まり、米国自身を含め世界中からインターネットを通じて広がっています。「戦争ではテロは解決しない」という“もうひとつの声”に耳を傾けて、いかなる軍事行動につながる行為も中止してください。殺戮と流血に少しでも加担することをやめてください。平和のために行動してください。
たとえ、テロ特措法などの参戦法案が成立しても、私たちは、テロも戦争もない平和な21世紀のために発言し、行動し続けます。その決意を3292名、67団体の賛同者ととも表明します。
2001年10月29日
「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク
代表 松井やより