太陽と情熱の国、ブラジル。
しかし、その社会構造には、光と影が存在しています。
リオデジャネイロを拠点にその影の部分をレンズで訴え続ける写真家たちの姿があ
りました。
社会的に弱い立場におかれる人びとの、社会的権利を取り戻すことを目的とした、
ボランティアの写真家集団、Imagens da Terra、『地球イメージ』。
その創設者であるジョアン・ヒッペーさんは、被写体となる人びとと信頼関係を
築きながら、社会的、政治的暴力を暴く写真を撮り続けて8年になります。
彼は自分の仕事を”もう1つのジャーナリズム”に基づくと考えています。
以前、彼はブラジル有力紙の記者でしたが、記事を発表した後に断ち切れてしまう
人びととの関係に疑問を抱き、フリーとなって活動を開始したのです。被写体となる
人びとから依頼を受け、彼らの姿を写真に納め、そして発表。彼らの存在を社会一般
に印象づけるのです。
今までに貧民街、ストリートチルドレン、土地なし農民、インディオ、奴隷的扱い
を受ける労働者たちの姿、環境を撮り続けてきました。
現在は腐敗した公立病院の実態を暴くべく、患者たちと関係を築きながら、取材を
始めたところです。また彼は活動の一貫として、一般の人びとを対象としたスライド
上映会も行なっています。
彼が活動を通して見えてきたものとは?
『満ち行く人びとを取っていて私は気が付いた……
急速に時が流れるこの世界にあって、
人びとの生活や仕草、歌声の中に
”幸福の可能性”があるということを』人びととともに環境の改善を働きかける写真家の姿を当番組ではフィーチャーします。