- 三年前の二〇〇一年十一月、私たち「ふじさわNPO連絡会」は推進センターの運営団体の募集に手を挙げ、「接戦」と言われながらも現在運営団体を務めている「藤沢市市民活動推進連絡会」に敗れました。あの時私たちは、市民自治という観点から藤沢で永年にわたって市民活動をしてきた団体が、その自覚と誇りを持てるような「支援」のありようを目指していました。だからこそNPOの中間支援組織として、その後も独自の活動を続けてきたのです。
あれから三年、来年一月には運営団体の改選期を迎えます。この改選にあたって、私たちNPO連絡会が何を考え、この問題へどのように対応しようとしているのか、その姿勢と考え方を報告しておきたいと思います。
◆力を結集する仕組み
- この三年間、NPOの法人格を持つ団体が藤沢市内にも増えています。とはいえ、NPOや市民活動という「市民セクター」全体が力を付け、町の緒問題を改善・解決する力になっているとまでは言えません。どうすればそんな活動に向かっていくのでしょうか。
そこには各団体が持つ能力上の問題というより、NPOが蓄えた専門性を引き出すしくみを構築しきれていない、また多様に取り組まれている各団体の分野を越えた連携・連帯が薄いという問題がありそうです。
実際のところ、独自の場と事務所機能をもつような大きな団体は推進センターを使わなくても活動できますし、逆に少ない資金と人材でようやく活動している団体は、自らの事業に専念することで手一杯となります。そのため、それぞれの団体の交流が薄く、それぞれが力を結集していく仕組みが築きにくいという状況となっています。
◆運営団体の限界
- 推進センターの運営団体には、こうした状況を改善するための努力が求められます。しかし、前回の円卓でも報告したように、藤沢市が推進センターの運営費として拠出している費用はほぼ「場の管理」にあたる人件費で費えてしまい、運営団体は、NPOが専門性を発揮したり、連携する支援となるような事業の費用を捻出できません。
そこで、NPO連絡会は、運営団体の改選に併せて次のような提案を推進委員会に行いました。
◆推進センターへの提案
- 推進センター管理運営業務(主に窓口業務)と、それ以外の基礎的機能や高次機能である各種講座の企画・運営、マネジメント相談、そして調査研究などをそれぞれ分割して捉え、すべての業務を一つの団体が一括で担うことを前提とするのではなく、複数の団体がそれぞれの部門を担うことを委託形式とする。その上でそれぞれの部門間で連携できるしくみを作る。(結果的に同一団体が複数部門を担う事もあり得る)
会議室や掲示板管理、予約受け付けなどの窓口業務が中心となる推進センターの管理運営業務は、特段にNPOの専門性を必要とする業務ではない。委託をするのであれば、NPOに限定せずに公募することも可能だと思われる。
そして特に高次機能にあたる部門については、独自の専門性をもつNPOが担っていけば、より質の高い事業成果を挙げることが期待できる。また、それぞれの部門をつなぐという役割も同時に必要となる。
- 部門を分割することは、現状の推進センター管理運営費用をさらに細分化することではなく、最低限必要な管理運営費用に加えて、それぞれの機能ごとに委託する費用を予算化することが必要である。しかし、こうしたNPO推進に関わる事業費の予算を現状以上増やすことができない状況であれば、むしろこの推進センター管理運営業務は行政が担う(行政職員の派遣や退職公務員の直接雇用など)選択肢もありえる。
- いずれにしても現在の予算規模での市民活動推進センター委託にあっては、運営団体が自らのスキルを磨けるという意味で市民活動の底上げには繋がるのかもしれないが、民間運営団体がその独自性を活かした事業を展開することは、却って困難となる。現状を打開し、名実ともに市民活動の推進につながる事業展開のために、市民活動推進委員会および藤沢市が、市民活動推進センターの運営に関して上記のような方式を含めた抜本的な改善を検討することを提案する。
◆審査を非公開?
- 残念ながら、推進委員会ではこの提案を議論する充分な時間がありませんでした。指定管理者制度の導入にともない運営団体のプレゼンテーションや審査の非公開といった問題が審議日程の押し詰まったところで浮上、その審議に時間が割かれたためです。前回の審査にあたり私たちも要望を出し導入された公開のプレゼンテーションと審査という方法が有効かつ重要であるという認識は、市民活動推進委員会でも共通していたようでした。NPO連絡会では、市会議員の各会派に情報提供して、推進センターにとどまらない指定管理者制度による選考の透明性についての議論を促すという活動を行いました。結果的に推進センターの審査は公開される見通しとなりました。
◆運営団体に応募せず
- しかしこれにより、運営団体の募集内容は手つかずのまま従来通りで決着します。また、それでは私たちの活動も活かされそうにありません。NPO連絡会ではこの事態をふまえ、次回改選にともなう運営団体募集には応募せず、推進委員会を通して推進センターのあり方について問題提起をしていくことにしました。
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