ラウンド画像情報紙『円卓』9号
ふじさわNPO連絡会では、ニュースレターとして『円卓』を発行しています。
ここでは、一部をご覧下さい。
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巻頭言シリーズ 9
藤沢市・市民活動推進計画に関する市民活動推進委員会答申に向けて


  箱根の紅葉も盛りを過ぎ、平地の鎌倉の紅葉は見ごろとなりました。 ふじさわNPO連絡会の皆様におかれましては、それぞれの活動に磨きをかけていられることと思います。
 ここで、市民活動推進委員会の動きを報告させていただきます。

 2002年3月にふじさわNPO連絡会の推薦を受け、市民活動推進委員として、4月から活動に参加してきました。
 2003年10月12日に「市民活動の事業展開に向けて」〜収益事業・協働事業との関連〜というテーマでの、「市民活動推進フォーラム」を開催し、広く市民の意見を取り入れ、市民活動推進委員会中間答申素案を作成しました。
 さらに、この素案を検討するため、「市民活動推進方策を考える会議室」を、市民電子会議室に開設しました。11月27日から12月25日までの約1ヶ月間です。

 答申素案の大きな項目は、次の五つです。
(1)市民活動推進の基本理念
(2)活動する場の確保について
(3)情報の収集及び提供について
(4)財政的な課題・問題を解決するために
(5)市民活動を事業として行うための課題・問題点を解決するために

また、市民電子会議室の開設期間と内容は次のようになっています。
[1] 11月27日〜12月3日
   (1)、(2)の討議
[2]12月4日〜17日
   (3)、(4)、(5)の討議
[3]12月18日〜25日
   全体的まとめの討議

 私たち、ふじさわNPO連絡会の各団体とも密接に関係した内容ですので、ご意見がありましたら、是非、市民電子会議室の「市民活動推進方策を考える会議室」にご参加下さい。もし、参加方法がお分かりにならないときは、藤沢市市民自治推進課、(電話0466-50-3516)に、お問い合わせ下さい。 
 2004年2月に、市民活動推進計画に関する、市民活動推進委員会の答申が完成します。藤沢市の市民活動の指針となります。市民活動発展のために、ふじさわNPO連絡会として、積極的に関わっていきたいものです。

 

代表理事 臼井孝

 
 

編集追記

2003年10月12日に開催された、藤沢市市民活動推進委員会が主催した「市民活動推進フォーラム」。48名が参加。事例報告として、ふじさわNPO連絡会会員・NPO法人ワーカーズ・コレクティブ藤の小野理事長が市民事業について発表した。10年以上の活動成果が実を結び、デイハウス「藤の花」の設立や、ケアマネジメント部門を独立させた「NPO法人藤の実」を産み出している。


 
 

定例会
地域を育てる市民事業の可能性


 2003年、ふじさわNPO連絡会は定例会を毎月1回開催してきました。この定例会では、藤沢市が抱えている課題を中心に情報を交換し、またそれぞれの活動の特徴的な運営内容を切り口に運営方法などについても話合っています。
 そうしたなかで、ここ数回は次年度に向けての定例会をいかに展開していくかについて討議した結果、以下のような進行の柱を立ててみました。

 地域に、市民事業を広げる

市民事業」という言葉に耳慣れない人も多いかも知れません。定例会のメンバーではこの「市民事業」について、地域で必要な公共的で公益的な活動を、自ら資金調達し、労働の提供を通して恒常的に事業化したものと考えました。
藤沢市内では、特別養護施設の「食」の部門を担うことでスタートした「はなもめん」があり、介護保険が今日のような制度になる以前から家事・介護を手がけてきた「ワーカーズ藤」のような団体があり、どちらも私たち連絡会の加盟団体です。そして、その二団体ばかりではなく、下記の表にもあるとおり、様々な形で地域に多くの「市民事業」が育っています。

しかし、まだまだ市民の間には「公益的なボランティア活動がお金を取るのはおかしい」という意見があり、こうした活動の必要性への理解は浸透していません。また行政からは、たとえ公益的といっても民間の営利企業と待遇を差別化することは、公平性の原則から見て難しい、という指摘もあります。
このため「市民事業」は、質より価格面で対抗する営利企業と同列の立場で市場競争に投げ出されているのが実状です。

定例会に参加しませんか

 そこで、定例会では、
@「市民事業」の実状を聞いて現在の課題を知る
A委託を受ける機会の多い行政との協働の関係を探る
B市民に「市民事業」の可能性を知らせる
といったことを柱に話し合うことにしています。関心のある方は、お気軽にご参加下さい。会員外の参加は500円です。

定例会のスケジュールは、ふじさわNPO連絡会までお問い合わせ下さい。

支援費制度の現状と今後の課題


 市内には福祉に関係するNPOが多く、今年度から運用がはじまった国の施策である支援費制度について高い関心が寄せられていました。
 そこで、従来の障害者への措置制度や高齢者への「介護保険制度」と比較しながら、重症心身障害を対象にした現場から見た支援制度の実状と課題について、9月26日に『社会福祉法人マロニエ会』施設長の齊藤祐二さんに解説をしていただきました。
 措置制度から支援費制度へと移行し、利用者が自らサービスを選択することが出来るようになりましたが、その自己決定以前に、利用者本意のサービスが提供される仕組みになっていけるか、お話を伺いました。
 

課題その1
 サービス内容を決定する指標は?

 現行では、ケースワーカーの裁量によって、同じ障害の程度の人でも支援費支給内容が大きく左右されてしまう。それは、介護保険のような要介護度認定の仕組みがないからだ。
 以前の「措置制度」時代はサービス利用時間に上限がなかったが、支援費制度には原則として一人あたりの上限が設けられている。それ以上の支給については市町村の裁量となる。
 藤沢市は様子さえわかれば上限以上の支援費を支給するという姿勢を持っているが、担当者によっての差も出るだろう。客観的な指標がないので、特に上限以上にサービスを必要とする人への適切公平な対応がなされにくいという情況だ。

★相談事業に関して

 市内の相談施設は数カ所。また、その他の施設などでも支援費申請に関しての相談は受けている。
 しかし、事業として予算が適正につけられない為に、限られた人材・時間で充分な対応するには厳しい情況にある。

課題その2
 利用者に寄り添った支援のあり方は?

 高齢者への介護保険では、ケアマネージャーが利用者の情況を把握し、客観的な指標に基づいて必要なサービスを決めていく仕組みが取り入れられている。
 しかし支援費制度には、その策定にあたって自己決定を重視する声が尊重され、ケアマネジメントの仕組みは取り入れられなかった。そのために、自己決定の訓練ができていない人達や、自己決定自体が困難な人達にとって不充分な支援の仕組みになっている。本当に支援費が必要かどうかと問われた時に、「無くても良い」と言ってしまいがちな人が多いからだ。中には障害の程度からいえば受ける権利があるでサービスも、家族で無理をして対応してしまおうというケースも少なくない。
 また、利用者への支援者からみて支援費支給内容に疑問を感じる場合でも、本人が不服申し立てをしない限り決定は変わらない。自己決定は重要だが、継続的に相談を行う機関が不充分だといえる。

課題その3
 きちんと情報は伝わっているの?

 脳血管障害になり麻痺などの身体障害を持ってしまった人には、支援費だけではなく年齢的に介護保険の受給対象となりうる場合もある。しかしその両方を受けることはできない。では、どちらのサービスを受けるのかというと、原則的に介護保険優先となる。
 そしてケアマネージャーが寄り添い、高齢者向けのデイサービスを紹介される場合が多いようだ。
 しかし、国の考え方としては身体障害者の特性として、社会適応訓練と創作的活動に重点を置く人は、たとえ65歳を過ぎても、身体障害者のデイサービスを受けられることになっている。ところが、現状ではケアマネージャーが高齢者福祉についての知識に比べて障害者福祉の制度をよく知らない事が多い。結果的に、比較的年齢が若く、自立に向かいたいという中途障害者が80、90歳の高齢者と同じ場所で社会参加を目指すことになり、やる気がおきず、ひきこもりになるという例もあるようだ。
 同時に、影響を受けているのは身体障害者のデイサービス事業と短期入所事業だ。以前は福祉事務所を通して利用者となっていたはずの人々が減っている。

今後の動向
 介護保険との一本化

 平成17年の制度改正にあたり、介護保険に支援費制度が、とりこまれるのではないか。そのような動向がある。
 もしそうなれば、課題は要介護認定基準の客観的な基準づくりだろう。
 介護保険は、介護ということだけに着目して調査と認定を行っている。 しかし、障害者の場合、同じ障害を持つ場合でも、その人の望むライフスタイルによって欲しいサービスが大きく変わる。自宅での生活を中心にしたい人、外での活動を中心としたい人と様々なので、一律の「要介護」認定基準を設定するわけにはいかない。


 その他、当日の参加者からは、30分のケア(オムツ交換など)で良いのに最低時間単位が一・五時間以上でないと受けられない(日常生活支援)、異なる内容のサービスに同じ事業者が入れない(日常生活支援と身体介護)などという問題も指摘された。

 介護保険で日本人は、死に向かっての生活をある程度保障されるようになったが、支援費制度は障害者の生き方をまだ保障するに至っていない。
 財源の問題も含め、支援費に関わる事業所も難しい局面に立たされている。自分たちの生存権に関わる問題として、知恵と力を寄せ合うことが必要だろう。


● 支援費制度って何? ●

 身体障害者、知的障害者への福祉の施策。内容は、障害者の自宅での生活に関する支援、外出時の移動介助、日中の活動施設利用など、指定事業者のサービスを利用する費用が支給されるというもの。

 利用者がそれぞれのサービスを何時間利用できるかは、利用者が自己決定に基づいて市町村に申請し、ケースワーカーがその可否を決定する仕組み。

 財源は国が賄うが、支払い能力に応じて利用者も負担する。なお、精神障害者は支援費制度の対象にはなっていない。


● 財源が違うから? ●
 この差があるのはなんでだろう?

 支援費制度では、完全な上限こそ無いが全身性障害者へのホームヘルプに関する上限は基本的に125時間で、金額にすると約20万円。介護保険では要介護度2程度の人が支給される金額に相当する。しかし、全身性障害があり日常の生活支援が必要な場合を介護保険の基準で要介護度認定すれば4か5となり、もっと長時間のサービスを受けられる。


● 一人暮らしで自己決定が難しい人はどうするの? ●

 自己決定が難しい人々に対して、成年後見人制度があるが、問題として障害者の数に比べて後見人を受けてもらえる人(司法書士等)の数が圧倒的に少ないことが挙げられる。今は制度利用者が少ないから良いが、申し込みが増えたらパンクは目に見えている。みんなの権利が全て保障されているわけではないのが現状だ。
 だんだんと利用者の制度に対する意識、自立に向かっての意識が定着してきたときにどうなるのかが心配される。

※注/障害者支援費制度のホームヘルプ事業に関して、五十億円の赤字見込みという試算を厚生労働省が出している。

※注/厚労省の検討会に対し、全国市長会と全国町村会が支援費制度へのケアマネジメントの制度化や支給決定に関する基準の明確化などが必要とする意見書を提出している。(2003年11月26日)
 
 

耳より情報・あしたのたね〔9〕
小規模多機能施設

 


 厚生労働省の高齢者介護研究会では「2015年の高齢者介護〜高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて〜」と題する報告書をまとめました。
 そのなかで、在宅で365日・24時間の安心を提供する「小規模・多機能サービス拠点」の必要性があげられています。本人や家族の状態の変化に応じて日中の通い、一時的な宿泊、緊急時や夜間の訪問サービス、さらには居住といったサービスを切れ目なく一体的・複合的に提供するものです。
 このようなサービスは現在も介護保険のメニューのなかに「通所介護」「短期入所」「訪問介護」「グループホーム」などとしてありますが、現状では個々のサービスがばらばらに提供されているため、特に痴呆状態の高齢者にとってはかえって混乱をきたすことになります。これらのサービスを地域に密着した事業者(スタッフ)が提供することで、利用者にとってもより安心感が得られ、住み慣れた環境で生活を続けることが可能となるでしょう。

 しかし、福祉施設を建設するにあたっての補助金等は今後あまり期待できない状況です。施設を運営する側として、このような小規模多機能施設のニーズは確かなものだと認識している企業も少なくありません。
 民間の活力で高齢者の多様な住まい方に対応できる住宅を供給してくためには、地主の方々にも、このようなすまい建設がビジネスとしても成立し、さらに地域に貢献できる事業であることを認識した上で、積極的に取り組んでもらうことも必要です。そういった施設を、地域住民が主体的に関わりを持ちながら支えていく。これからはそういう時代でしょう。

 また、高齢者だけではなく、障碍を持った方や子育て中の家族なども集って住んだり、地域のひとたちの交流の場を設けるなど、スタイルはさまざま。単なる「施設」という箱ではなく、機能をもった「家」が必要とされているようです。