終 了

「人と人とをつなげる、明るく元気なまちづくり」
福祉と商店街活性化をつなげる

日時:2002年12月7日(土) 午後2時〜午後4時30分
会場: 長後市民センター 集会ホール

コーディネーター:臼井孝氏(特定非営利活動法人ふじさわNPO連絡会代表理事)
パネリスト:山村忠夫氏(長後商店街協同組合 理事長)
     :田中琢磨氏(日本労働者協同組合連合会センター事業団藤沢事業所所長)
     :片桐常雄氏(まちづくりコンサルタント)
     :辻政夫氏(神奈川高齢者生活協同組合藤沢支部事務局長


パネリストの皆さん



 小雨が降る中、50名の参加がありました。
 地域別では、ほとんどが市内在住の方で、長後在住の方が約2割、市外からは1割程度の参加でした。




講座の目的

 この講座は、商店街周辺地域の活性化を、より多くの人を巻き込んだ展開にしていく為のきっかけを探る場として開催しました。

 この報告では主に第2部の『こんな商店街のあるまちで暮らしたい』というテーマで開催したパネルディスカッションの内容をまとめてみたいと思います。

 参加者からのは、長後商店街に対する要望の声が強かったのが印象的でした。

■地域住民から
量販店にはない専門性と、コミュニケーションを求めて商店街への思い

 参加者の意見から、、商店街の良さは商品に関する専門的な相談が出来る事と、コミュニケーションによる温かさだという事が確認されました。

 しかし多くの問題があるために住民、特に高齢者は出かけづらいという事が長後商店街の現状のようです。
消費者が商店街の店舗を離れて利用するようになった大型店やコンビニエンスストアーなどの特徴と対比しながら、具体的に次のような要望意見が出されました。

 道路・歩道の拡張・ベンチの設置・駐車場の設置・夜間の開店時間の延長・地域住民の意見の調査とそれを取り入れる形でのまちづくり・配送サービスなどの事業は、あちこちで耳にする事例ではないか?
など。

 パネリストからの回答からは、右記のような課題には実際に取り組んできた物もあるが、商店街だけでは解決しきれない問題が多い事がわかりました。

 歩道の拡張については、過去に行った部分もあるが、通りに面した商店には売り場面積の縮小と多額の自己負担が発生する。

営業時関延長については事業者の高齢化や後継者不在という問題もある。

参加者のみなさん 地域住民へのアンケートは中高生を対象におこなったが、出されたものは「若者のニーズ」。
 全てに対応することは困難なので、長後商店街は高齢者を対象とした商店街を目指しており、その計画の中には、福祉の視点も盛り込まれている。

 一方、長後商店街の活性化への独自の取り組みは、2002年12月開始予定の共同配送にはじまり、コミュニティーバス構想などへと周辺地域・福祉というところにも向けられているようです。

 また、コミュニティーバスについては参加者からも、高齢者が外に出かけやすくするためには是非実現して欲しいという意見もありました。

■長後商店街の共同配送について。

 長後商店街として、買い物に出掛ける事に不便を感じている高齢者や子育て中の方などに向けてカタログを配布し、それに基づいて一括で注文をうけ、各商店から品物を集めて配送する、というサービス。2002年12月末には開始したいと考えている。
 行政からは取り組みに対する評価を受け、補助の対象となった。

■商店街・内部の課題
商店街は地域住民との密接した信頼関係の構築をすることが必要。

パネリストの皆さん 長後商店街には全体で200以上の店舗があり、商店会に入っているのは約120店舗。

 しかし、1店1店が事業主であり、業種、業態も違う。商店街としての事業でみんなが利益を被るようなする事は難しい。

 商店街として、今、そして将来に何が必要かを考えて行く事が必要だが、日常の業務に加えて地区の祭りなどという行事が入りこんでくると、商店街としての中長期のプランニングというものがなかなか出来ない、というのが実態だ。

■共同配送への期待
共同配送については、次のような意見交換がありました。

 地域住民:共同配送に地域住民が協力できないだろうか
山村氏:配送自体は、しばらくは商店街の人海戦術で対応するつもり。年度区切りで1度見直しをする。赤字が出ないレベルになったら、受注の電話番や配送などは有償ボランティアのような形で地域住民にお願いすることも考えている。

■"もしもし"の声が、つなぐもの ↑ NG?

片桐氏:カタログ利用の共同配送のだけでは、人は街に出てこないのではないか。某コンビニエンスストアーのように電話で注文を受け、コミュニケーションも同時に行う。その事は商売としての側面もあるが、高齢者の話し相手、という一つの福祉事業にもなるのではないか。
 そういう商売を通じての関係性づくりがあれば、ちょっとした催しなどのきっかけがあれば、商店街にも出掛けやすくなるのではないか。

■地域の高齢化はビジネスチャンス

 地域の高齢化は商店街自体にとっても後継者不足などの問題でもあるが、黙っていても「高齢」という特徴をもった顧客が増えるという、商店街としてはビジネスチャンスだろう。
 また、アジアの国々の高齢者のたまり場は、必ず商業と結びついたところにある。日本には、あまりそれがみられない。(片桐氏)

■まちづくりに、新しい関係作りによる発想を
住民の興味にマッチしたまちづくり
たとえば、ごみ問題

 長後公民館には、環境保全に関するサークルがたくさんある。また、藤沢市では生ゴミ処理機の購入に補助金をだしているが、それは市内企業の製品ではない。
 非常にもったいない事なので、地元でごみ処理機を開発してみてはどうだろうか。
 また、その使い方説明会などを商店街で行えば、環境系サークルの人達は、興味を持って街にでてきてくれるのではないか。それが面白そうな事ならば、自然に人も集まってくるのではないか。(片桐氏)

■ 行政からの支援

会場 山本氏から、行政の商店街活性化に対する支援事業について、つぎのような内容が報告されました。
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 不況化でもあり、財源が限られているので、行政からの商店街活性化のための補助金の投入は難しくなっている。
 藤沢市は商店街の自発的な活動について支援して行く、という施策をとっている。

 しかしながら、コミュニティーバスについてなどは、(現在は具体的な施策は考えられていないが)市民や商店街の意欲に応じて何らかの対応をしていきたいと考えている。
・・・・・・・・・・

■協働について

 行政の産業振興という面からの施策は、右記のように市民の主体的活動への支援だということが確認されています。
 それが充分なものかどうかは検証が必要かもしれませんが、山村氏からは、商店街の生残りは行政支援のみでなんとかできる時代ではなく、商店街にも自律が必要だ、その為には支えあう、という事が重要になってくるという事が、これからの福祉のあり方とも並列的にまとめられた発言がありました。
 地域全体の高齢化や交通の安全、その他様々な背景による問題を抱える商店街の現状を考えると、商店街や地域住民の自発的な活動は確かに必要です。

 藤沢市は、平成13年には市内13地区の商店街の活性化調査報告書を作成し、その中では商店街活性化の対策も報告しています。しかし行政には、総合的な視点からの提案または支援が継続的に求められるのではないでしょうか。
 その事によっても、多くの人々が行き交う、地域の核としての商店街が作られていくだろうと考えます。


■今回の講座から、地域住民と長後商店街の関係の現状をまとめてみました。

  • 商店街は新しい社会に対峙できる組織内の問題にも立ち向かいながら、周辺地域に向けたサービスのあり方を模索している。
  • 地域住民は、商店街の動向に注目しつつ、要望を語り合う場とそれを具体化させる手だてが無い事にいらだちを感じていた。

 今回の講座をきっかけに、地域住民と商店街が共に語り合い、考え方を共有して行くようになれば良いと思います。

 "新しい関係性"の可能性としては、新旧様々な形態や目的を持つ組織が協力しあう事で、新しい視点が生まれ、新たな取り組みも実現可能になるのではないか、とまとめられました。

文責 宇佐美満

当日参加者の方から、“商店街の方の参加が少ない"というご意見が出されました。
 この件には、開催企画段階で、遅い時間帯でないと商店からの参加は営業時間と重なる為難しい、という状況は主催側としても把握していましたが、一般の参加者の声が出かけやすい時間帯にしよう、という判断により、土曜日の昼過ぎに開催時刻を設定しました。


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